Eno.17 ドリフテッド・ドリカ

『多様性の海に集う、動物、植物、人工物、そして……漂着者たち』

「(いわゆる亜人や人外に関しては前の島で散々見ましたが……
  やはり、自分の違うあり方をしていると興味深いものです)」


結論から言えば、この島……ひいてはこの海は世界同士を繋ぐ『接合部ハブ』であるとみた。

わたしの知らない種族の漂着者。
わたしの知らない品種の動植物。
わたしの知らない環境の変遷……

それらは時に何らかのおとぎ話ファンタジーで聞いたことがあれば、
全く見知らぬ、未知のものであることも少なくない。

例えば、森林にて度々見かける、吸熱作用を行う花。
他の漂着者によると、別の世界の特産にも近い品種の花であるという。

例えば、本島から離れた離島で捕獲した蛙。
これは以前わたしがいた島で数多く見られた蛙と同一の種だと確認できた。

これらがどのようにしてこの海に集ったのかは分からないが、
何れかの海、海流、あるいは水や流れに紛れるようにこの海へと流れついたのだろう。
もっとも、それがこの海に適合できるとは限らないのだが……
(無論わたし達も他人事ではない)

しかし、他の世界同士の間を取り持つ、ハブの役割を持つ世界なのであれば、
確かにそれを利用し世界間の航行を行う船もあるかもしれない。
ボトルメッセージの内容とも紐付けることができる。

「あとはその……"世界を超える方法"、ですかね」


船を待つのが第一だが、来ると確約されたものではない。
船を作るのは順当だが、船を作るだけでは越えられるほど易くもない。

せめてもう一手、何か決め手が欲しいばかり……と考えつつ。
わたしは新しく生み出された人口の露天風呂に浸かるのであった……