Eno.637 楠木・R・ルーシー

禁煙4日目、その2

猛暑が続いている。……この熱波は酷く長引きそうだ。
皆も参って来てるようだ。とにかく、水と食料は常に欠かさないようにしておきたい。
可能であれば塩分も取って欲しい。流石になめくじ君は関係ないだろうけども………彼にとっちゃ塩分なんて毒以上の物だろうし…

休んでいる間に、ロンくんが馬車を作成してこれまで以上の物が持てるようにしていた。
沢山の物が持てるようになっているのはいい事だと思う。
熱波の影響で一度の移動だけでも体力を奪われがちなんだから、沢山持ち運び出来るのは移動の回数を減らす事に繋がる。

……ニシュも、神崎君から治療を受けてはいたようだ。
彼から聞いた言葉が、今も私の内でぐるぐると渦を巻いている。
…正直、どうすれば良いのかが全く分からない。こんなだから、私は……

………あぁ、煙草が欲しい。
いい加減、何も考えたくない。












───……と言う職業を、私は誇りに思っていた
どれ程辛くとも、碌に自分の時間が取れずとも。人命に関わる仕事に携われている、そう考えると、ちっとも苦ではなかった/small>

<small>───その仕事に、生きがいを感じていた

元々、他人との交流が得意ではないという自覚はある。それでも、しっかりとした治療と、患者が健康になっていく経過を確認する度に、大きな喜びを感じられていた

──……その日も、かなりの猛暑日で。あぁ、今日も大変になりそうだな、なんて思いながら仕事に打ち込んでいたと思う
そんな考えを打ち壊したのは、携帯から鳴り響く不意の警報音。そして、大きな音と共に酷く揺れる足元だった

酷い大地震で、病院内はかなりの騒ぎになっていた
自分たちの家族の安否確認をするよりも、私達には優先すべき仕事があった。入院患者達の様子を確認する
幸いにも無事ではあった。それでも未だ治療が必要なのは変わらないが。別の病院に送るにも、災害の影響で安全に運ぶことは叶わず。必然的に、此処で治療を続けることになる
とはいえまだ医薬品の数には余裕がある。そう思っていた所に………被災した人たちが、駆け込んでくるまでは。そんな甘い考えをしていたんだ