氷室にて
見事なまでに典型的な熱中症。
氷室にほど近い場所に仰向けに寝かされ、
貴重な医療キットまで用いた処置を受けて。
少女はぼんやりと天井を眺めていた。
頑張らなくていい、と。何度も言われる。
協力するのだから、と。持ちつ持たれつだ、と。
この異常事態だ。
身分も階級も、きっと種族さえ関係ないのだろう。
頭では分かっている。
頭では分かっていても。

選択権など無かった。
頑張らなくてはならなかったのだ。
でなければ見限られ、それは即ち何もかもの終わりを意味する。
少女にとって、生きることは頑張ることであり、
頑張らないということは、諦めることだった。

溜息。今は療養に務めよう。
確かに乾きゆく喉も気には掛かるが、今は。
……目を細める。
かすかな微睡みのなかで、
うすぼんやりと、透き通った優しい声を思い出す。
足の治療と共に、戯れに口遊んでくれた旋律。

私も、歌ってもらったことがあったのだろうか。
氷室にほど近い場所に仰向けに寝かされ、
貴重な医療キットまで用いた処置を受けて。
少女はぼんやりと天井を眺めていた。
頑張らなくていい、と。何度も言われる。
協力するのだから、と。持ちつ持たれつだ、と。
この異常事態だ。
身分も階級も、きっと種族さえ関係ないのだろう。
頭では分かっている。
頭では分かっていても。

「それでも、それしか知らなかった」
選択権など無かった。
頑張らなくてはならなかったのだ。
でなければ見限られ、それは即ち何もかもの終わりを意味する。
少女にとって、生きることは頑張ることであり、
頑張らないということは、諦めることだった。

……やだな。
頑張らないことを頑張ろうとしてる
溜息。今は療養に務めよう。
確かに乾きゆく喉も気には掛かるが、今は。
……目を細める。
かすかな微睡みのなかで、
うすぼんやりと、透き通った優しい声を思い出す。
足の治療と共に、戯れに口遊んでくれた旋律。

「……子守唄、か」
私も、歌ってもらったことがあったのだろうか。