Eno.746 時文渡

第一章 わたしの名と探偵

小説内の世界が、丸ごとどこかの世界へと接続される。

いくら超常現象を扱う探偵といっても物事には限度があると思います。
しかもそれが───わたしを書いた者の居る世界とは思わないじゃないですか。

「こんなに現代の、
 伝説とも言い難い物語がウチに流れ着いてくるとは……

 いやあ、一度否定された者を取り込む影響って凄まじいねえ」


「だからわたくしは反対したのよ!
 ……いいですわ。毒を食らわば皿までと腹は括っていましたもの」



幸い探偵というものは肝が据わっているもので、
その辺りの異世界転生とか、もう味のしないほど煎じられた事柄は、
何だかんだすぐに受け止めることができました。

イレギュラー扱い。人外扱いには納得いかないけど、それでも。

「あなたのお名前を伺ってもよろしいかしら?
 ここではあなたは異物。正しく名付け、畏れる必要がありますもの」




「───」


「じぶん、わたし。時文渡って言います。
 何の変哲もない───人間の探偵ですよ」




それでもここから始まるのだ。
物語では語られることのない、わたしの人生の続きが。



なんやかんやあってわたしの敵もこの世界に来ていると知ってから追っかけて
同じ豪華客船乗ったらお互い別の島に流されてるとかありますけどそれはもうどうでもいいです。くそ。