Eno.201 犬藤京吾

無題

仕事柄、メモを取るのが基本ではあるが、
どうにもそういうのにはなれない。

島に漂流してそろそろ4日くらいだろうか。
時間の流れも、よくわからない。
果たしてここが、どこなのか。
また、夢のような場所なのかもしれないし、
案外、知らない土地なのかもしれない。

そういう経験をした、という部下はいくらか知ってはいたが。
自分もまきこまれる側になったということだ。
そりゃ、同僚たちも頭を抱える。
行方不明事件というのも、結局はこういう、『よくわからない事件』に巻き込まれている可能性は0じゃないだろう。

しかし、まあ島にいる人(人以外もいるようだが)はいい人は多い。
連携も取れているようだし、こういう場合数日たつと、揉め事の一つや二つ
あるようなものだが、そういうのも見ていない。

そういう点では、安心できるだろうか。
指示をできる誰かがいる、というのはそれだけ周囲の支えにもなるだろう。

私は、慣れない仕事で足を引っ張らないようにだけ努力をしておこうと思う。