Eno.483 辰砂

無題

また夜がくる。
ぼーっとしてるし、時折物を作って遊んでいる。
皆は料理や脱出の為に夢中だけど、俺はずっとどっかに帰りたくなってる。

夜になると、虫の音と、葉が擦れる音と、波の音と、沢山の音とが、鋭くなった神経に、一本一本に聞こえてくるみたい。

前の日、砂浜で夜を明かした。
元からなかなか寝付けない身体だから、死ぬ気で動いてたら、この身体で初めての気絶ってやつができんじゃないかって思って。

何度も何度も海に潜ってみたけど、時間の許す限りしてみたけど、真っ黒な海が寄せては引いて手招きしてるだけだった。


元から得体の知れないものとしてよく扱われてるし、自分でも自覚はあるし、難しい事を言う時の自覚もあるし、過去の己を反芻してる自覚もある。
別に己に恥は無いけど。

大陸にいる時もそうだけど、あぁやっぱり俺、
どっかで堪えてたんかな。

終わりがないのって怖いよね。