Eno.105 エスパー透悟

前夜

 
ウィスキーを注文し、カウンター前の椅子に浅く腰掛ける。

(嫌な予感がするんだよな……)



クルーズ旅行の招待はタイミングが良かった。
ほとぼりが冷めるまでの隠れ蓑には最適だ。

……だがしかし、丁度良すぎる。
まるで今俺が隠れたいことを、見透かされているような気がした。

電波の届く内に、とスマートフォンに電話番号を入力する。
氷の入ったウィスキーのグラスが、そっとテーブルに置かれた。

「……嗨、我就是。我会躲一会儿」

「我给你打钱了。请用这个来躲避警察的追捕」