神崎の手記(嵐と二人の捜索)
この島に来て二度目の嵐が来た。
天候が安定していない事は周知していたので、
前回の事も踏まえ上で、充分な備えを用意する事が出来た。
倉庫の状況からも、みんな嵐を警戒している事は分かったので
”意図せず嵐の影響を受ける人”は現れないと判断していた。
拠点内をそれとなく歩き回り、人数の確認をする。
二人居ない。一度目の嵐の時も居なかった長身の女性とロンが居ない。
後で知った情報だが、長身の女性はエポラという名前だったようだ。
島のみんなの名前もまだ全員分把握出来ていない事に辟易する。
俺は半人前の医者として立ち回ると言ったので、
一度目の嵐の時に拠点から捜索に出たルーシーと同じ事をしようと思った。
なるべく、周りに混乱を与えないように静かに準備を始めた。
本当は心臓の音が聞こえて来る程に怖い。
震える指先を握りこぶしを作る事で紛らわせた。
効率よく捜索する為に、ルーシーと二人で担当する場所を分けて捜索を行った。
医者の真似事が出来るように彼女から色々学んでおいて良かった。
任された持ち場は岩場と森林。岩場だ。そして恐らくそこにエポラが居る。
前回の嵐の時に、もし俺が捜索に出ていたらと考える事は何度もあったので
おおよその見当は付いている。
……エポラの姿はすぐに見つかった。
俺は彼女の言い分は聞かずに“必要だと判断した”治療を施しながら、
この場に居る理由について尋ねた。文句なら後で聞ける。先に治療だ。
彼女はそれを望んでいなかったようだが、同じくして理由を話してくれた。
『嵐の時に命よりも大切な物を無くしてしまった』
それがここに彼女が居る理由だった。少しだけだがエポラの事が分かった。
それと同時に”意図せず嵐の影響を受ける人”では無かったから
今こうしているのだとも理解出来た。
嵐が収まった後や、日を改めて探す事を提案したが、
『晴れた海』の探すと嫌な物が見つかると言われた。
俺にはその真意が分からなかったが、
どうやら大切な物が壊れて見つかる事を恐れているようだった。
彼女の不安を取り除けたかは分からないが、
大切な物が壊れて見つかっても直すと言い、なんとかエポラと一緒に拠点に戻った。
俺にも医者としての行動が出来た。
少し安心していた時に、まだルーシーとロンが帰って来ていない事を知った。
正直その時俺が何処へ行こうとしていたのかも覚えていない。
結果としてニシュに止められたからだ。
どうして俺が踏みとどまったのかもハッキリ覚えていないが、その間に二人は戻って来た。
あの時、止められていなかったら俺は一体何処に行っていたのだろう。
“居て欲しい時に”居てくれるとはこういう事だったのか。
天候が安定していない事は周知していたので、
前回の事も踏まえ上で、充分な備えを用意する事が出来た。
倉庫の状況からも、みんな嵐を警戒している事は分かったので
”意図せず嵐の影響を受ける人”は現れないと判断していた。
拠点内をそれとなく歩き回り、人数の確認をする。
二人居ない。一度目の嵐の時も居なかった長身の女性とロンが居ない。
後で知った情報だが、長身の女性はエポラという名前だったようだ。
島のみんなの名前もまだ全員分把握出来ていない事に辟易する。
俺は半人前の医者として立ち回ると言ったので、
一度目の嵐の時に拠点から捜索に出たルーシーと同じ事をしようと思った。
なるべく、周りに混乱を与えないように静かに準備を始めた。
本当は心臓の音が聞こえて来る程に怖い。
震える指先を握りこぶしを作る事で紛らわせた。
効率よく捜索する為に、ルーシーと二人で担当する場所を分けて捜索を行った。
医者の真似事が出来るように彼女から色々学んでおいて良かった。
任された持ち場は岩場と森林。岩場だ。そして恐らくそこにエポラが居る。
前回の嵐の時に、もし俺が捜索に出ていたらと考える事は何度もあったので
おおよその見当は付いている。
……エポラの姿はすぐに見つかった。
俺は彼女の言い分は聞かずに“必要だと判断した”治療を施しながら、
この場に居る理由について尋ねた。文句なら後で聞ける。先に治療だ。
彼女はそれを望んでいなかったようだが、同じくして理由を話してくれた。
『嵐の時に命よりも大切な物を無くしてしまった』
それがここに彼女が居る理由だった。少しだけだがエポラの事が分かった。
それと同時に”意図せず嵐の影響を受ける人”では無かったから
今こうしているのだとも理解出来た。
嵐が収まった後や、日を改めて探す事を提案したが、
『晴れた海』の探すと嫌な物が見つかると言われた。
俺にはその真意が分からなかったが、
どうやら大切な物が壊れて見つかる事を恐れているようだった。
彼女の不安を取り除けたかは分からないが、
大切な物が壊れて見つかっても直すと言い、なんとかエポラと一緒に拠点に戻った。
俺にも医者としての行動が出来た。
少し安心していた時に、まだルーシーとロンが帰って来ていない事を知った。
正直その時俺が何処へ行こうとしていたのかも覚えていない。
結果としてニシュに止められたからだ。
どうして俺が踏みとどまったのかもハッキリ覚えていないが、その間に二人は戻って来た。
あの時、止められていなかったら俺は一体何処に行っていたのだろう。
“居て欲しい時に”居てくれるとはこういう事だったのか。