Eno.392 キリル・クリロフ

再びの嵐

やはり海上の孤島というべきか、頻繁に嵐に襲われるようだ。
そしてどうやら、嵐の時でないと遭遇できないものもあるらしい。
あの不思議な、結晶のような石は何なのか……。
キューブとはまた違うようだが、中々に興味をそそられる。

……不思議なのは、明らかにその石を材料として加工するレシピがあった事だが。
つまり、先人はあの石を加工出来た、という事だ。

となると挑戦してみたいものだが……ドラム缶を探し、大型蒸留器を設置する方が先か。
岩風呂も設置できるようだし、こちらも捨てがたい。
灯台ももっと建設したいし、何よりこの石像とは。自由に形作って良いという事か。

と、大変心躍る日々ではあるのだが。

……流石に、依頼を放り出していくのは不義理だろう。
ましてその目的地が『護符』の居住地であるなら、最悪あの『護符』でも手に負えない案件という事になる。

であるならば、この私――序列2位、二つ名『防壁』を持つレンチン術師が呼ばれるのも、道理というものだ。

……しかし、地下か。
あの辺りはまだ外壁が無かった筈だから、私と『結界』が揃っているのであれば、周囲の安全が先ではないだろうか。