Eno.833 アトラス=アガメムノン

8

ヴィニアは確か、妖精だったか。
そんな妖精族(?)の彼は、人型がデフォルトの姿ではないようだ。何があったのだろう。

ロカは、こんな環境の中でも気丈に笑っている。私が15の子供であることを知って、年下として扱ってくれている。ありがたいと言うか、眩しいというか。
もちろん、内政をしてくれるのも嬉しい。感謝を伝えねば。

クラリスはあまり話さないが、私たちが寝静まった頃に行動力を発揮するようだ。
どうにかタイミングを見て、感謝を伝えたい。

クィラ様には本当に頭が上がらない。色々してくださるばかりか、私たちにとっては良き神木だろう。
(魔力のこもった樹が自律し、移動する現象は夢でも見たのだが、さすがに喋るほどの知能を有するのはいなかった気がする)


私は、魔物を率いていた。
それがどんな目的であれ、元の世界の民に悪さをしていたのだとすれば。私は大罪人であることには間違いない。

けれど、彼らなら信じてくれると思った。思ってしまった。信じてしまうのはやめたはずだったのだが、私は、きっと彼らなら私の罪を「償える」と言ってくれるのかもしれない。──そう思った。

私の罪は、一生を、命をかけて償わなければいけないだろう。
だから、もっと、彼らのために頑張ろう。それが、私の罪への向き合い方となることを願って。