ヤドリは 考えている。
ここに来てから、四度の夜を越えた。
いろいろな経験をした。
肉、魚、パンケーキ、アイス……他にも皆が作った美味しいものをたくさん食べて、あとはそこら辺に生えてる草とか、ボールとか、アヒルのおもちゃを食べて怒られたり。
ごはんを得るために、釣りや狩猟もした。
日照りに晒されてじりじりと焼け焦げるような気持ちを味わいながら、垂らした糸の先に何かが寄り付くのを待ち続けて、初めて竿を引かれた時の高揚。木立の向こうに息付く鳥の鳴き声を耳にして、蒸した狩猟用テントの中で弓を引き、息を潜める緊張感。
そうしていくつかの命を、この手で握って口にした。
冒険を始めた時は軽くて心許なく感じたナイフは、初めて生き物を捌いたその時から重く手に馴染むようになっていた。
それは、慣れてしまったということではなくて。むしろ、勇気と履き違えた未熟な無神経さが拭われて、現実味が染み付いたようだった。
……考えをまとめるために、いろいろ書いてはみたものの。
結局、俺が今悩んでいるのは一つだけだ。
勇者だなんて肩書きを背負いながら、この島に来てはじめて何かの命を自分の手で摘んだ。
その責任の重さを、これから先、自分以外のものまで背負いきるだけの勇気がないことに、気付いてしまっただけなんだ。
『はい』なんて安請け合いしてしまった使命を、名前をつけてもらうまで俺そのものだった勇者という肩書きを、後悔しはじめている自分がいる。
考えるのは苦手だけど、こればかりは今までのようにはいかない。手当たり次第に選択肢を食い潰してからでは、もっと深く後悔することになるから。
全部の選択肢を掴めないからこそ、考えたい。
俺のいた世界のこと、使命のこと、そして、俺自身のことを。
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ヤドリは ゆうしゃ? になった。
いろいろな経験をした。
肉、魚、パンケーキ、アイス……他にも皆が作った美味しいものをたくさん食べて、あとはそこら辺に生えてる草とか、ボールとか、アヒルのおもちゃを食べて怒られたり。
ごはんを得るために、釣りや狩猟もした。
日照りに晒されてじりじりと焼け焦げるような気持ちを味わいながら、垂らした糸の先に何かが寄り付くのを待ち続けて、初めて竿を引かれた時の高揚。木立の向こうに息付く鳥の鳴き声を耳にして、蒸した狩猟用テントの中で弓を引き、息を潜める緊張感。
そうしていくつかの命を、この手で握って口にした。
冒険を始めた時は軽くて心許なく感じたナイフは、初めて生き物を捌いたその時から重く手に馴染むようになっていた。
それは、慣れてしまったということではなくて。むしろ、勇気と履き違えた未熟な無神経さが拭われて、現実味が染み付いたようだった。
……考えをまとめるために、いろいろ書いてはみたものの。
結局、俺が今悩んでいるのは一つだけだ。
勇者だなんて肩書きを背負いながら、この島に来てはじめて何かの命を自分の手で摘んだ。
その責任の重さを、これから先、自分以外のものまで背負いきるだけの勇気がないことに、気付いてしまっただけなんだ。
『はい』なんて安請け合いしてしまった使命を、名前をつけてもらうまで俺そのものだった勇者という肩書きを、後悔しはじめている自分がいる。
考えるのは苦手だけど、こればかりは今までのようにはいかない。手当たり次第に選択肢を食い潰してからでは、もっと深く後悔することになるから。
全部の選択肢を掴めないからこそ、考えたい。
俺のいた世界のこと、使命のこと、そして、俺自身のことを。
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ヤドリは ゆうしゃ? になった。