Eno.571 みちる

遭難日誌その4~みちる編




 遭難四日目。

 嵐の一夜を開けた後は……酷暑だった。
 照りつける太陽、肌に刺さる直射日光、乙女の大敵である紫外線…その強烈な熱さは、外にいようが中にいようが関係無く、私達に襲い掛かってくる…!
 あまりの暑さに倒れかけることが幾度もあったが、御神凪さまが麦藁帽子を作ってくださったり、猫ちゃんが冷やし猫ちゃんとしてくっついてくれたり…あとは、お水を飲んで、何とか耐え凌ぐことが出来た!


(これは御神凪さまが作ってくださった麦藁帽子!)

 …そういえば、他にも書きたいことがあって、3日目の夜に紋所屋さまが古代魚を釣り上げたので、皆で記念写真を撮ったのだ。古代魚と一緒に、ピースサイン!…それを、"キキョウイン"というSNS?に挙げる…というようなお話を羯磨さまがされたけれど、その時…その、ちょっとだけ…恥ずかしい思いをして、つい、羯磨さまに手を上げてしまった…!
 それについて、後で羯磨さまに謝ることが出来たけれど…本当に、短気なことをしてしまったと反省しているのだわ…例え御神凪さまでも、スフィーラさまでも、シスター……に言われたら、叩かないかな……と、とにかく!いくら怒っても、手を出してはダメ!もっと大人にならなくちゃ!

 あと、同じ日の夜にも嵐がやってきた。外に出る方は多々いらっしゃったけれど…外は魚が飛んだり、海藻が飛んだり、尖ってたものが飛んでいたり…そこまで良い収穫は得られなかったようだ。
 荒れてる夜は出来るだけ拠点に籠もるべきかもしれない。…といっても、ずっと続けば皆様の気も下がっていくもの。何か楽しい催し物とか、考えたらいいかしら…?

 4日目の日記はこれでおしまい!
 明日はどのような進展があるだろうか。密かな楽しみになってきた。


みちる


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「よし、…船で脱出準備も順調、食料も水も…枯渇していない。今のところ、悪くないわ…」




 もう4日も過ぎた。それでもストレスフリーで生活出来ているのは奇跡だ。本当に、皆のおかげだ。必要最低限欲しいものも、それでも少し欲しいものも、皆に作って貰っている…

(本当、皆様にはお世話になってばかりで…。…あら?)



 …ふと、記録をしていてあるものが目に付いた。視界の端に移った、スカートの布部分…身に覚えのない、"紅"が、咲いている。すっかり雨に滲み、酸素を取り込み、もう赤ではないけれど。

「……嫌だわ、ちゃんと綺麗にしておかないと。」



 いつ汚したっけ。清潔を保つのは淑女の嗜みなのに。あとでパジャマに着替えてから、寝る前に洗っておこう。そうして、みちるは休む準備を始めたのであった…










 嘘よ、嘘。わたし、ウサギを殺したの。
 小さくて柔らかな命を、この手で散らしたわ。

 前と、同じように。


※冒頭の景観アイコンは九重みつる様のフリーアイコンをお借りしてます。