Eno.715 岐志 定光

現状について9

嵐が過ぎて、離島の方に難破船が流れ着いたみたいだ。
聞いた話によると船員さんのような人は誰も居らず、代わりに物資になるようなものだけが沢山積んであったらしい。
…もしかしたら遺されていたメモに書いてあった、この辺りの海域を定期的に訪れるという船の一隻だったのかもしれない。

乗っていたであろう船員さんたちの安否は気になるけれど、その船は僕たちに多くのものをもたらしてくれた。

それはなんといっても『船の設計図』。…これを見つけられたのは本当に大きい。
これによって僕たちの脱出計画は大きく動き出した。

島が本当に沈んでしまうかは兎も角として、本格的な船を用意することが出来たのなら帰るための道を探ることが出来る。
そのために、僕は僕で出来ることをやっていくつもりだ。

────────────────────────────────────────────────────────────

それはそれとして、ベルさんが船で見つかった宝物にとても夢中になっていた。
おとぎ話とかに出る竜は財宝を求めていたし、竜人であるベルさんもそういったものが好きなのかもしれない。

…家族や元居た場所の話をした時に少しだけ寂しそうに感じたからどうにか寄り添ったり自分なりに励ますことが出来ればと思っていたけれど、今だと余計なお世話になってしまうかな…。