Eno.610 エポラ

日記 その17


それはそれは仲の良い 2頭のきょうだいがおりました。



◇◇◇

フネがあった、らしい。
色んな新しいものとか、ピカピカとか、食べ物とか、
いっぱい見つけたみたいで、倉庫に知らないものが溢れてた。


昨日の夜は何だか難しい話をしていたようだ。
氷室の中にも 少しだけ聞こえてきた。シャチは耳が良いんだ。

ヒトそれぞれなんだなぁ。


シャチの雄は、大人になると群れを離れ、
子を産み育てて帰ってきます。



帰ってくると言う者を心配する気持ちは あまりわからない。
だって、帰ってくると言うのなら、帰ってくるのだろうから。
でも、きっとそうやって 心配を積み重ねて、それが空まで届いたのが、ニンゲンという生き物なのだろう。

シャチは強い。強くて怖いもの知らずだ。
そしてそれが、致命的にはたらくことだって、きっとあるのだろう。



フフ。
せっかくヘニョヘニョになったのに、二足で大地を踏みしめているのに。
頭だけは どうしても海の中のままだ。




できないことは、勿論頼っているのだが。
シャチは手先は不器用だからな。





ワタシにできることは、随分と少なくなってきたみたいだ。





そうして、変わらず穏やかで 少しだけ寂しげな歌声が
静かに響き渡るのでした。