アスエリオの手記23
嵐が終わり、漂着船が来た
そこではこれまでなかった
様々なものが見つかった
興味はあるけれどまた後で
……少し、わくわくした
デイズが教えてくれた物語
冒険譚もあって、憧れてた
魔局の外に出られたら
そんな冒険をしてみたいななんて
デイズからのお話を聞くたびに思ったのだ
漂着船にはそんな冒険がある
大砲を磨いて、帰還の為の道導とした
届くと良いな、外へ
帰りたい、帰らなきゃ
あの地獄の世界へ 私は
もしもここが沈まなくて
ここにみんながいたのなら
私はここにずっといたいと
思うのだろうか
この島には
私が望んでいた自由があった
私 は
◇
私の地獄が私の帰るべき場所
帰ったらまた 魔局の道具に戻るんだ
みんなと約束はしたけれど
その先の未来なんて、保証されてないのに
──自由になれる保証なんて、ないのに?
帰りたいんだ、帰らなきゃならないんだ
掴めるかも分からない未来を
何とかして掴む為に
殺したくない、死にたくない
心を殺したはずなのに
怖くなるのは何故だろう
泣きたくなるのは何故だろう
──帰らなきゃならないのに、
帰りたくないのは、何故だろう
違う 違うの 私は
そんなこと、思っちゃいけないのに
みんなはまだあの地獄にいるのに
私だけ逃げることは許されない
だからこの感情は間違いだ
なのに、どうして?
私は私から、目を逸らそうとした
──帰ったらこの楽園での生活も
終わってしまうんだ
私はまた私を、
私の心を殺さなきゃならなくなるんだ

「……かえりたく、ない、よ」