Eno.682 何森究

無題

オタクはすぐに記憶が飛ぶ。
推しの姿に脳を焼き切られ、数分前まで観ていたはずの
ライブを何も覚えていられない。
心も、金も、記憶も、あらゆるリソースを注ぎ込んで、
俺たちファンは盲目のバカになる。

――周りのクラスメイトが、全員、推し。

そんな風に狂態を演じなければやり過ごせない人生なんて、
俺たちには計り知れないほど陰鬱で残酷だ。

こんなに大らかで気のいい奴らが集まったシマよりも、
そんなクソみたいな世の中の方が丸ごと沈んじまえばいいと思う。