Eno.14 神崎 考希

神崎の手記(製作と量産)

脱出案に関して、全員分では無いが多くの意見が集まった。
暫定的に目標を『救助を想定した島の設備』を増やす事に決めた。
他の案も試したいが“タイムリミット”と“リソース”を考慮すると全ては難しい。
目標が定まり切らず、脱出という結果まで辿り着けない事は避けなければならない。

設備の量産体制を整える為、書き置きに『狼煙』と『灯台』の製法を書き残した。
近くを通った船に気が付いて貰えなければ意味が無いので、
過剰過ぎるぐらいが丁度いい。少しでも確率を上げよう。
『花火』に関しては大砲での打ち上げが確認でき次第、同様に製法を書き残すつもりだ。
効果が期待出来ると実証して初めて完成といえる。
まだ完成していない物をみんなに教えていく訳にはいかない。

――ここからは俺に出来る全身全霊を持って『みんなを島から脱出させよう』
製法を皆で共有した事により今までの比ではない速度で島は変わっていくハズだ。
どうせやるなら盛大に行こう。

まだ完成していない『花火』が無数に打ち上がる様子を想像する。
その火が誰かに届く事を神に祈る。
祈るなんて非科学的な行為は今までして来なかったので
こういう時はどういった神に祈るのだろうかと少し考えた。
分からない……

俺は『名も知らぬ神』に『みんなの無事』を願い、祈った。