Eno.496 キリン

シカのパン屋

「お店を建てる手伝いをして欲しいくらいだよ」

なんて気軽に誘ってみたけれど、一度やんわり断られてしまって、いろいろ考えていた。レックス君の境遇のこと、まだ出会って数日しかたっていない事等。
確かにまだ浅いであろう交友関係で、まだ互いを何も知らない中でこんなことをお願いするのは間違っていたかもしれない、そう納得しつつ、彼女が発したいくつかの言葉にどこかで引っかかるものもあった。

そんな折、彼女の方から手伝いの申し入れがあり驚く。けれど隣で応援するような言動を見せたツバキくんをみて、どこか自分の中から心のつかえがとれた。レックス君を心配しているのは、私だけではないのだ。


彼女は、彼は、きっとこれからも色んな支えの中で生きていけるだろう。
その支えの中に、私も含めて。