Eno.833 アトラス=アガメムノン

9

……いくらかの命をみんなで食らい。
……汗水垂らして作った水をみんなで飲み。

そして5回目の夕暮れを迎えようとしている。
私は記憶を少しずつ思い出しているけれど、未だに私が犯した罪は分からない。

この島に、そして島で出会った人々に、私は生かされている。

生きている。あるいは生かされている。
そのおかげか、苦しい夢を見ることは少なくなった気はしている。
そのかわりに仲間の夢を見るようになった。

私が生きて帰ったら、こんなに幸せな暮らしはもう出来ないだろう。
……どうであろうと、私は命を尽くして、償おう。

……思い出すことがもうひとつあった。



ああ、そうか。
私は、大罪人。

戦火を見て嗤う私を、今の私は立ち尽くして眺めることしか出来ない。