Eno.78 淡島陽葵

19.3回目が来る、

 少しだけみんなとの距離が近くなったことを実感する余裕をこの世界は与えてくれなかった。

 厚い雲におおわれた比較的過ごしやすい夕暮れ時の空にうっすらと見えた雨雲は、長くとどまるタイプかもしれない。2回の嵐を乗り越えてきたけどこのタイミングは最悪だ。

 あった頃は無邪気な年相の女の子だったティッキィちゃんは指揮を取れるほど立派になった。
今回もいち早く雨雲接近に気がつき指揮をとり始めると島の不思議な力によって行動がほぼ制限されているキリエルさんが動いた、
持っていたメガホンから発せられた声はが今をやり過ごす備えのヒントになりまずは、
葉山くんらしい集合合図フレンチトースト食べようが飛び、
 まず二人、アマハル姉弟。
次にニシュちゃんがちょっと不機嫌そうな様子で。声をかけたのは神崎さんだった。
見つかったんだね、守りたいモノが。

 陣地の少し離れた場所にいる数名のうちいつも人が多い所を避けているようなそぶりを見せる彼女がいない。目印となる花は振りだした雨と風によって流され探そうにも手がかりがない。
 シャチのお姉さんもいない。今回も海がよく見える場所で"探し物"を待っているんだね。
 お願いするね、近付いている嵐があなたを飲み込まないように。

  "探し物"は……うん、