Eno.134 愛庵 芽花

出席番号1番

中学1年生の私は、画策した。
どうすれば私は『アカリ』にこの席を返すことができるのか。

単純なのは、私がモノとして廃棄になることだけど、
その道を選ぶには、私の自我は育ちすぎたわ。

死ぬのか?
いや。
たくさんやりたいことがある。
私は人間なのだから――

パパも、あくまで私をアカリだと思ってやまない以上、”二度目”は絶対に許さなかったでしょう。

用意された戸籍はたったひとつだけ。
結局のところ、アカリか私、どちらかしか座れない。

この事実はどうしても揺るがなかった。

私は私の望みを見つめ直す。
私はアカリではない、私として生きていきたい。
『私』の生き方をしたい!
これはアカリのためではなく、私のため。

……だから『改名』を試みることにしたの。

中学1年生には無理だけど、15歳以上になれば、親の同意がなくても改名手続きを行える。
弁護士におすすめされて、私は『新しい名前を数年にわたり通称として使用すること』にした。
10代ならだいたい3年以上、通称をすれば改名が認められる。
高校の入学に合わせて、新しい名前を手に入れられる。
ほんの少しだけど、希望が見える。

でも、ここでもネックになったのはパパの存在。
名前を変えることには当然反対するし、
下手に反発しすぎたら、日々のメンテナンスや命に関わる。

弁護士に相談したら結局のところ、
改名手続きにはパパを巻き込むことをおすすめされた。

「昔の事故を思い出して辛いから、アカリと名乗りたくない」


そうパパに説明した私は、
アカリに席を返すどころか、
その名を歪めただけなのかもしれないわね。