Eno.196 月白 橘花

5日目

足の怪我の手当てをしながらシマの成り立ちに聞き耳を立てていた。
正直退魔師の経験だってみんなと比べたら浅くて、いつだって足を引っ張らないように一杯一杯で。

だから話が聞こえてきた時、その場から離れていてよかったと思った。
だって、世界そのものが意思を持っているということは。
もし世界が私たちを逃がそうとしないという意思を持ってしまったら──私たちは陽桜市に帰れない。

こわい。
クラスメートに、弓道部の皆にまたあいたい。
……幸次郎君にまた、心配かけちゃう。