報告、見つけたものに対しての見解
──今日も少女は地下に降りていく。
重力につまずいて転んだところ、ぶつかりかけたから冷や汗をかく。
種族:精神体の人だったから、怪我をさせずに済んでいた。
ペコペコと頭を下げていたところ、彼のモニターはただただ笑っているだけだったから。円満に済んだのを喜んでいる。
アレが最近流行りの精神体モデルかあ、なんて、去るその人を見つめていた。
肉体を持つことすらを放棄した、究極のミニマリストたち。
ただ、諸々の対応が追いついていないから、食事などにバリエーションがなかったり、娯楽施設だとその喧騒の空気と雰囲気を体に取り込んで中毒になる人が多いと聞くから。まだまだ課題は多い。
それでも肉体を持たぬことに憧れる人は多いという。
結局はお金がかかるのだけれど。
銀河系の果ての果てに帰る少女には縁のない話であった。
ど田舎、という話。スマートさに憧れることもあるけれど。
さて、今日とて頭のチップを呼び出した。13分47秒という短い曲のリズムに合わせて、重力からとうの昔に開放されている道をいく。
通路の中、丸ガラスから見える宙は相変わらずの晴れ模様。
今日も良く、大きな星が輝いていた。
──そうやって、少女は目を外したからかもしれない。
いつも曲がる方向の、少し奥の方に、まだ通路が伸びていることを。
色褪せた看板の文字は、手作りの味がある。
一度文字を消された後、もう一度文字が書かれたのだろう。読み取りにくいそれに、右耳のピアスを触れた。
──xx歴史博物館。
そう書かれている。
…
どうせ今日もまた星に帰るだけ。星に帰れば、クァールキャットの頭を撫でて、晩ご飯を食べて。安眠パッドで眠るだけ。
明日もそう。早起きというほどの早起きでもない。
偶然に見つけたそれの方向に向かっていったところで、明日がメチャクチャになるわけではない。
と、頭のコンサルタントと相談しあったが故に。
その方向へと足を向けて、運ぶ。
体にのしかかる重力が重くなっていくことにも。
変な期待を抱いてしまって、無駄に心が躍るようだった。
古いデザインの窓ガラスの向こう。
ある星が、近くに。