Eno.275 君影 早霧

5日目 拠点


嫌な場所だと、強く感じた。

他の海を取り込み飲み込む、意思ある海。
いったい、この海にはどれだけの資材人間が沈んでいるのだろう。
知っている道理の通らないこの世界から、私たちは無事に帰ることが出来るのだろうか。

過去の恐怖を呼び起こさせるこの海は、在り方さえも憎らしい恐ろしい


……怖いといえば、月白先輩も。

負傷を隠して振る舞う人は、軽率に命を手放しそうな危うさがある。
遠目だが治療をしているようには見えたから、大丈夫だと思いたいが。


少しは回るようになった頭で周りを見ているとふと思う。
自分が大丈夫だと思う程、周囲にはそう見えていないのかもしれない、と。

心配や干渉は時に人を追いつめるから、踏み込むつもりはないのだけれど。