Eno.549 雪島ススギ

*ススギのむかし

小学生のススギは、ズボンを履いて学校に行ってた。

中学生になったら、病院の先生と相談して、スカートを履くことになった。

小学校が同じ人たちから「オカマ」ってからかわれた。

そのたび先生は怒るし、パパとママは学校に行って先生と話す。

ススギもそこにたまに居なきゃいけなかった。

すごくイヤな時間。みんな困った顔や怒った顔をしている。

なんにも楽しくない。

ススギは学校がイヤになった。

それでも時間は進むし、今度は次の学校に行かないといけない。

ゆううつな気持ちで見てたパンフレットの中に、すっごくかわいい制服があった。

私立果ての島高校。制服は一応あるけど私服でも良くて、自由な校風らしい。

何より、ススギのいた中学校からはほとんど進学する人が居ないらしかった。

制服も好きに組み合わせて良いって。

逃げるような気持ちが半分、期待する気持ちが半分。

ススギは果ての島高校を受験した。

ここに来れてよかったな、って思う。

まだ少し世界は窮屈で、先生は困った顔をするし、

「特別配慮が必要な生徒」なんて言われるのも好きじゃないけど。

でも、みんな、ススギをススギのままにしてくれるんだ。