Eno.638 神崎 肆梛

テントの中

(花火、上がるんだなぁ)

(今回こそ、楽しく見よう。
 綺麗だとか、音が大きいなとか、そういうことだけ考えたい)
(君だってここに居たら、きっとそう促してくれるよね)


 髪留めを解いて、両手で大事そうに握っていた。
 赤い目の中で、焼き付いてしまった光の華が瞬いている。