Eno.325 鮫島飛鳥

無題5000兆

長い嵐は日を跨いでも続いている。
脱出するために必要だという、ボトルメールの内容のものは全て(最低限は)揃った。
嵐の中出歩く理由がもうない。
暇だ。
拠点を揺らしながらぶん殴るような雨風が、わりとどうでもいいことを思い出させた。

水の音は、他の音を遮ってくれる。

雨の日の練習は、好きだった。
ヘタクソでも、気兼ねしないで済んだから。


絶賛遭難中ではあれど、なんだかんだで穏やかな時間が流れていると思う。
ベルは酒に弱そうだし(ほっしーが強すぎるだけかもしんないけど)
マナぴの飯は最高だ。
アタシはアタシのことが少し好きになれた。
アタシがアイドルになるために必要なモノが、見つかったから。
迷わない自分に会ったのは、初めてだ。

スマホ、実は持ってるけどさ。
連絡先知らなくても嫌でもマナぴの視界に入るように、一軍のド真ん中まで行くからさ。
……追ってきて欲しい。
アタシを追うって行動がマナぴの気分を紛らわせてくれたらいいしさ……
アタシも胸張って、SMAセンターのサメちゃんでマナぴに会えるように頑張りたい。

また会う約束みたいでいいじゃん。
だから、今はみんなで一緒に生きよう。