にっぽう
──嵐の中にいると心地が良いのだ。
拠点で音を聞くだけでも十分だったが。
臨場感が足りない。
たりないでいる。
◇ ◇ ◇
外に出るのを我慢するよう申し上げていた。
誰よりも出たい自覚があったが。
しかし我慢をしていたのだ。
が、しかし。
今日は。
──今日は。
◇ ◇ ◇
大砲を眺めていた。
大砲のそばにいた。
しどど降る雨も。
鳴き回る風音も。
弱々しくて、やになる。
「…」
それでも。
彼らは、嵐を楽しむことはなかった。
故に。
「……」
つまらないと思った。
当たり前と思った。
当然だと思った。
好かれないのだ。