Eno.322 Type-R

11日目

船を作成する段取りが付いた。
脱出パックが人数分揃った。
僕達は、島が沈む前には船に乗り込み脱出が叶うだろう。


だから、最低限の条件をクリアしたと、僕は思っている。
まあ実際船に乗れたり乗れなかったり、
そういう込み入るかもしれない話は一旦無視して。
皆で協力して、皆が生き残るだけの状況は整った。


それが見えたからか、ネヌからも自由行動で構わないという雰囲気だ。
僕はさっそくパンの生地を練ってパンとピザを焼いた。
二人とも喜んでくれると嬉しいのだけれども。
人間の感情は複雑怪奇だから、そう上手くはいかないかな。


紅雨の話を聞いた。
彼には手紙を送ってくれるような友が居るらしく、
この島から脱出すればその人に会いに行くのだそうだ。
とても微笑ましく、細やかな幸せがそこにはあって、少しだけ羨ましかった。
ソガマは聞いていないけれども、3度目の帰還ならそう珍しいことじゃなくなるのかな。
きっと彼女は日常への帰り方をよく知っているだろう。
露草は、セルシアはどうするのかな。どちらもちょっとよく分からない。
ネヌと、イザヤはどうするのだろう。
イザヤは行方不明のまま死んだなんて聞かなかったから大丈夫だろうけど……

ネヌは……