Eno.682 何森究

shoot, shoot, shoot

「何森が女子にカメラ向けてんの知ってる?」
「うわキッモ!」
「3組の子が見たって。あの辺からグラウンドに向かってこう……」
「やめてほんとキモ過ぎてムリ。こわ。犯罪じゃん」
「そのうちタイホされるんじゃないの。盗撮とかで」
「うわ~……ある~……」




かつて「盗撮」呼ばわりされた俺の写真は、高校に入って「スナップ」と呼ばれるようになった。
ダイエットに成功し、外見に気を遣うようになったことが要因のひとつであるのは間違いないが、
何より俺自身が被写体に歩み寄り、心を開き合い、信頼を培おうと努力し始めたことが
大きかったのではないかと思う。

俺の人生は、人の心を奪うほど魅惑的で、消えない傷を残すほど暴力的な、写真という媒体に支えられている。
それは俺と夢を、俺と人を、俺と社会を、俺と好奇心とを結び付け、俺に俺の人生を自覚させるものだ。