Eno.606 エイデル・ダフニエル

時空の狭間の歪みにより辿り着く世界の記録ー4

6度目の夕焼けを見た。<rt>あちら</rt>元の世界<rb></rb>側では何日が経っているのだろう。
途方もない時間の中、せわしなく動くのは我々漂流者と島の生き物のみ。
やり残したことはあっても、時間が許してはくれない。
………もうじき沈むのですね、この島も。
――
離島の方に船が流れ着いていた。
金銀財宝や香辛料、酒、錆びた大砲。そんなものがあったので
恐らく海賊か何かだったのだろう。
目についた宝石と指輪を拝借した。指輪は簡単に手入れも。
知り合いへの土産物には丁度いいかもしれない。

――
島から出る準備が整った。
そういえば一週間程度で満潮が来て、島は沈むと、ボトルメールに書いてあった。
六度目の夕焼けを見たということは、もうそれが目前であるということ。
脱出の準備をとピリピリする必要がなくなった分、心の余裕ができた気がする。
……準備に関しては、私はほとんどを他の漂流者にまかせきりだったこともあり
少し申し訳ない気持ちも少しある。心からの感謝を。

――
中々森から帰ってこない漂流者に、必要のない木の実を押し付けた。
橙色の木の実を押し付けたことは少々申し訳なく思っている。
延命のためだと思ってどうか許してほしい。

――
カレーライスを作った。簡単なスパイスカレー…もどき。
出来は上々。
料理がほとんどできなかったのが少々心残りだが…
まあ、試作品に付き合わせるのはどうかと思うし これでよかったのかもしれない。

――
食材を探していると、紫色の花を見つけた。
なんに使うのかはわからない…。
しかし、倉庫に放り込んでも使われる気配がなかったので、
ここの漂流者たちに必要のないものなのかもしれない。
持ち帰って、魔法薬に使えるかどうか確認してみたいところだ。

――
今回はここまでにしておこう。明日にも記録がとれたらいい。