最後の手記
私は鎌倉時代に生まれた。
撰集抄が一節、西行於高野奥造人事
遺骸から人を造る外法、神秘の秘術。
人から鬼になる事を恐れながらそれを成そうとした人間が
術を知る人物から見聞きした事柄を詳細に取りまとめた、
世に出ることはなく隠し持たれ、
840年、使われることのなかった随文記。
それが私だ。
故に私は遺骸から救う術しか知らなかった。
生きている人間の心とやらがわからなかった。
私を震えた文字で書いた人間の苦悩や恐れを理解しなかった。
この島で人の命、人の心を知り、
私を書いた人間もただ、誰かを救いたい
という願いだけは本物だったのだと知る。
人になれるのなら、私は人を生かす生き方をしたい。
そう、心から願い船に乗ろう。
撰集抄が一節、西行於高野奥造人事
遺骸から人を造る外法、神秘の秘術。
人から鬼になる事を恐れながらそれを成そうとした人間が
術を知る人物から見聞きした事柄を詳細に取りまとめた、
世に出ることはなく隠し持たれ、
840年、使われることのなかった随文記。
それが私だ。
故に私は遺骸から救う術しか知らなかった。
生きている人間の心とやらがわからなかった。
私を震えた文字で書いた人間の苦悩や恐れを理解しなかった。
この島で人の命、人の心を知り、
私を書いた人間もただ、誰かを救いたい
という願いだけは本物だったのだと知る。
人になれるのなら、私は人を生かす生き方をしたい。
そう、心から願い船に乗ろう。