Eno.543 八雲 渡

漂流日記 伍 


全ての荷物が帰ってきたわけではないが、回収できる分は取り戻せた。…ということにしよう。

「『先生』から貰った本が無事で良かった。
……彼らにも感謝だ」

あの時、皆が来なければ確実に流されていた。元も子もないとはまさにこのことで。
垣原に話せばなんと言われることか。……いや、怒るまい。手を叩いて笑うか?そんなところだろう。

「さて、と」

次こそはこいつらを安全に運び届ける。
造船だのなんだのと話していたな。遭難からの2回目航海で沈んだ時のことを思い出した。
…今度の航海はなんとかなるだろう。力強い面々が集まっているのだから。