Eno.145 ユーディット

~はじまり~

うまれてから、ずっと、おいえのなかで、くらしてきた。

おかおにあるアザは、かみのけでかくすよう、いわれつづけてきた。



わがやは、このあたりをおさめる、りょうしゅで、きぞくだ、と。

おいえと、りょうちと、そこにすまうたみを、まもりつづけるのが、おしごとなのだ、と。



とつぜん、おいえに、たくさんの、だれかが、おしよせてきて。

わたしを、おいえのみんなを、いたいひもで、ぐるぐるにしてきた。

おいえは、こわされて、あかくてきいろい、あついもので、おおわれた。



わたしは、ちゃいろくて、かたくて、ひらべったいもので、かこまれて。

そのまま、くらいおへやに、おいていかれた。

おへやは、ずっと、ゆっくり、ゆらゆら、していた。



とつぜん、すごくおおきく、ゆれた、と、おもったら。

なんだか、おへやが、ななめになって。

しょっぱいおみずが、どんどん、おへやに、やってきて。

それから――





きがついたら、ここに、いたのだった。