Eno.78 淡島陽葵

26.備え

汽笛の音に喜ぶみんなに水を差す形になっちゃったな。

 流れ着いてきた船を見た時、この世界で運用している船は私が"いた"島に寄港する高速艇や大型の漁船よりも昔の船だと思った。
現に、船から持ち出し手入れが行き届いた3台の大砲に、乗組員に試供していたと思われる帽子の形からしてその不安を取り除く必要があった。
 いつの間にか食糧庫に入っていた切り分けた燻製を取り出して、
漂着した布を殺菌消毒して作った包帯と簡易メスを入れた治療セットを再現し私用の一式を用意しました。そこに居合わせた神崎くんがあわただしく倉庫の山から必要そうなものを調べ上げ
それをもとにルーシーさんによる作業手順の確認と指示であわただしい昼のような夜明け時が始まりました。

 日が昇り始めるころには私が把握している分は揃いました。
改めて木材の大切さを知ったわけなんだけど、人間って本当に大事な時に全力を出せるものなんだねと、200本以上の木材を切りそろえ収納してくれた静樹くんを見て思いました。
そうだ、テーブルの名前の件お礼言ってなかったな。



































すでに詰め終えた脱出セットは誰が作ったんだろう。

 大体想像はつきました、みんなのために頑張りすぎるロンくんだ。

台風が来るたびに、その明るさに影が見えていたからいつか話を聞いてあげようと思っていたけど、毎回一足早く何処かへいなくなっていた。
 でも、私が"いた"世界にかれのような能力者はいたっけ…、
いたとしてもその存在を必要とする人だけが知ることができる世界だから私が力になれることはない。