記録[6日目]
星の記憶、とでも呼ぶべきだろうものを見た。
それは儚い光であり、なんと定義すべきか……不思議な現象だった。
かつてこの世界にあったものの残滓が、その輝きが、ほんのわずかながら蘇ったのだ。
この不可思議な現象を、魔術と呼ばずなんと呼ぶのだろう。
……きっと、こんな理論もへったくれもない話、あの人がいたら呆れた顔をするのだろうけれど。
自分の命を終わったものとしか見られない自分にとっては、
過去にあったものの想いというものには感傷的にならざるを得ない。
自分がルビー・キスクになる前のことさえ、思い浮かべてしまう。
振り返ったところで、あの日々は、あの人は、もう戻ってはこないというのに。
……それからもう一つ。花火を打ち上げた。救難船を呼ぶための最後の一押しだ。
もしまだ使えたならと倉庫に眠っていたカメラのシャッターを押したところ、
どうやらうまく機能してくれたようだ。
昔は旅の荷物の中に、カメラを忍ばせていたこともあった。
結局、記録を後に残したところで振り返って見るわけでもないと割り切ってしまったので、
潔く手放してしまったのだが──たまにはこういうのも良いのかもしれない。

今から何をしたって、新たな自分の人生を歩み始めようとは思えないかもしれないけれど。
もう少し、この場で生き延びようとしている人たち──"今を生きている人たち"に寄り添ってみてもいいのかもしれない。
魔女としての自分が呼ぶことの叶わない、ともに暮らした人たちの名前を。
少しでも長く記憶にとどめておくことくらいはできるだろうか。
…………

それは儚い光であり、なんと定義すべきか……不思議な現象だった。
かつてこの世界にあったものの残滓が、その輝きが、ほんのわずかながら蘇ったのだ。
この不可思議な現象を、魔術と呼ばずなんと呼ぶのだろう。
……きっと、こんな理論もへったくれもない話、あの人がいたら呆れた顔をするのだろうけれど。
自分の命を終わったものとしか見られない自分にとっては、
過去にあったものの想いというものには感傷的にならざるを得ない。
自分がルビー・キスクになる前のことさえ、思い浮かべてしまう。
振り返ったところで、あの日々は、あの人は、もう戻ってはこないというのに。
……それからもう一つ。花火を打ち上げた。救難船を呼ぶための最後の一押しだ。
もしまだ使えたならと倉庫に眠っていたカメラのシャッターを押したところ、
どうやらうまく機能してくれたようだ。
昔は旅の荷物の中に、カメラを忍ばせていたこともあった。
結局、記録を後に残したところで振り返って見るわけでもないと割り切ってしまったので、
潔く手放してしまったのだが──たまにはこういうのも良いのかもしれない。

今から何をしたって、新たな自分の人生を歩み始めようとは思えないかもしれないけれど。
もう少し、この場で生き延びようとしている人たち──"今を生きている人たち"に寄り添ってみてもいいのかもしれない。
魔女としての自分が呼ぶことの叶わない、ともに暮らした人たちの名前を。
少しでも長く記憶にとどめておくことくらいはできるだろうか。
…………

「ところでこの昨日の記録は……私は一体何を……?」