事の始まり③
7/8昼 例の動物病院
獣医さん:「三河 元忠くーん」
今度は当たり前ながら、呼ばれても何も起きず……
数十分で健康診断も終わる。
獣医さん:「元忠君、すごく元気ですね。
若い猫ちゃんよりも元気なくらいですよ。」

澪:「いつもこの子元気だとは思ってますけど、獣医さんにお墨付きが貰えるほどなんですね。」
半年以上私の体内にいたから、何か変化や悪影響があるかも知れないと思ったけど、健康そのもの。手を取り合って喜ぶ……が。
「この調子で行けば、20歳も十分狙えると思いますよ。」
澪:「20歳だって。元忠、元気でいようね~」

少々わざとらしく、一人と一匹ではしゃいでみせる。
獣医さんはあくまで健康な元忠を褒めてくれているのだ。
獣医さん:「それじゃあ、お大事に~」
澪:「はーい、ありがとうございました。」
にこやかに動物病院を出る。
澪:「………」(それでも)

20歳が寿命、と言うわけではないにせよ。
一般的な飼い猫が『天寿を全うした』と言われるのは15歳。20歳で大往生。
澪の部屋に帰って、静かに元忠を抱えて、夕飯まで時間を過ごす。
澪:「ご飯……あのフード、入れる?」

猫の寿命、悩んでもどうしようもない事なのは分かっているけど……こうして時々、そのことを考えては少しの間塞ぎ込むことがる。
しばらく元忠に触れてメンタルを回復させて、夕飯時。
元気にシニア猫向けフードを食べる元忠を、
ご飯を食べながらしきりに元忠の姿を確認する澪を。
お互い横目で見ながら、同じことを考えていた。
澪:(もっと長く、一緒に居られないかなあ……)

その瞬間。
澪:「え……元忠?元忠!?」
餌皿と水皿と一緒に、忽然と元忠の姿が消えた。
獣医さん:「三河 元忠くーん」
今度は当たり前ながら、呼ばれても何も起きず……
数十分で健康診断も終わる。
獣医さん:「元忠君、すごく元気ですね。
若い猫ちゃんよりも元気なくらいですよ。」

「ナーオ」(ほらね~)
澪:「いつもこの子元気だとは思ってますけど、獣医さんにお墨付きが貰えるほどなんですね。」
半年以上私の体内にいたから、何か変化や悪影響があるかも知れないと思ったけど、健康そのもの。手を取り合って喜ぶ……が。
「この調子で行けば、20歳も十分狙えると思いますよ。」
澪:「20歳だって。元忠、元気でいようね~」

「ナー」(もちろん~)
少々わざとらしく、一人と一匹ではしゃいでみせる。
獣医さんはあくまで健康な元忠を褒めてくれているのだ。
獣医さん:「それじゃあ、お大事に~」
澪:「はーい、ありがとうございました。」
にこやかに動物病院を出る。
澪:「………」(それでも)

「………」(20歳かぁ……)
20歳が寿命、と言うわけではないにせよ。
一般的な飼い猫が『天寿を全うした』と言われるのは15歳。20歳で大往生。
澪の部屋に帰って、静かに元忠を抱えて、夕飯まで時間を過ごす。
澪:「ご飯……あのフード、入れる?」

「ナー」(うん……)
猫の寿命、悩んでもどうしようもない事なのは分かっているけど……こうして時々、そのことを考えては少しの間塞ぎ込むことがる。
しばらく元忠に触れてメンタルを回復させて、夕飯時。
元気にシニア猫向けフードを食べる元忠を、
ご飯を食べながらしきりに元忠の姿を確認する澪を。
お互い横目で見ながら、同じことを考えていた。
澪:(もっと長く、一緒に居られないかなあ……)

(もっと長く、一緒に居られないかなあ……)
その瞬間。
澪:「え……元忠?元忠!?」
餌皿と水皿と一緒に、忽然と元忠の姿が消えた。