Eno.766 クロディーヌ・シエレトワール

No.25_おてがみ

(φσ.σ)🗒 *かきかき*

拝啓 名智さん

 此方、7日目の朝を迎え、海の水位が上がり始めたようです。
 幸いにも救助船の到着が間に合いましたので、皆様で作成した船と一緒に帰還が叶いそうです。

 裕さんが難破船を探索して見つけた、恐らく船員さんの日誌と思しき書き置きに気になる内容が有ったそうなので、追記しておきます。※1

 また、皆様が資材を集めて制作した、あの不思議な石(意志なる晶)を媒体とした物。
 其れは空に輝き、煌めきを残して消えてしまったようなのですが……其の際、脳裏に浮かんだ内容を追記しておきます。※2

 ……もうすぐ、です。
 もうすぐ、裕さんと一緒に、帰ってきますから。

 敬具 クロディーヌ


(敬具の後の記名、一度くーちゃんと書きかけて消した痕跡が有る)


※1
"かつてこの海にはとても栄えた国があって、その国には気持ちや心をエネルギーの結晶にする技術があったそうな。
やがてその国は原因不明の洪水で沈んでしまうのだけれど、今でもたまに透き通るような宝石が浜辺で見つかるとかなんとか……
"
※裕さんは、此の記述の国=石碑にあった「レムリア」であり、石碑の鍵となった不思議な石(意志なる晶)が此の記述のエネルギー結晶では?と考えたようです。



※2
"その海は数多の術者が挑み、そして敗れた海だ。
土地はなく、ただ広大な海だけが広がる、乏しく虚しい世界。
それを変えんと有力者が集い、そして皆等しく匙を投げた。

神秘、魔法、科学、奇跡……
遍く術の混ざりあったその海は、いつからか自我に近しいものを得ていた。

やがて、とある術者が世界の境界を開いた。
隔絶された世界の境界がこじ開けられたことで、その世界は瞬く間に歪んでいった。
術者の成果を蓄えた膨大な海は、その境界を我が物としたのだ。

他世界の海を取り込み、資源を溜め込んでは海を吐き出し、再び取り込む。
海は、いつからか貪欲なる海と化していた。

そして長い年月を経て。
かの海は多くの資源を蓄え、そして誰かに奪われる日々。

そんな『魔の海』は、今日も晴天の元に佇んでいる。
"
※恐らく、世界の境界を開いたというのが、石碑に書かれていた内容を指すのではないでしょうか?