Eno.483 辰砂

無題

船ができちゃったし、
船も来ちゃったし。


──偶然この潮の満ち干きではない何かで現れていた島に、
偶然俺達が流れ着いて。
偶然そこにウサギや野生生物の生態系があって、
偶然何かの影響で沈みゆくこの島に、
偶然救助船が通りがかって……。

奇跡みたいなことなのかもしれないけれど、
正直何も信じられないな。

私、島に来て久しぶりに息が上がった・・・・・・ものだから。

空腹をここまで顕著に感じたのも、
乾きをここまで苦痛に感じたのも、
疲労も、怪我も、治るはずのものが。

私をそうしていた因子が眠ってしまったかのようだった。

そんなことは無かったけれど。


──ここで。

ここで、沈んでみたら、何処かに。
行けてしまうのだろうか。


「あー、それ、いいな。」