Eno.694 源柚月

波に流した紙

 七日目のキロク


…親のこと、小さい頃はべつにきらいじゃなかった。
お母さんがいうなら、私は女の子なんだっておもってた。
でもフリフリの服着せられるたび、もやもやして我慢してた。
お父さんは私に興味がない、と思ってたんだけどお祖母ちゃんのいいなりで
私が必要だっただけみたい。今調べてもでてこない名前の御神体にむかって
手を合わせて泣いてるお祖母ちゃんの後ろ姿は今でも覚えてる。私のコスプレみたいな写真がかざってあったのも。

お母さんもお父さんも、お祖母ちゃんの顔も思い出せない。でもそれでいいんだ。


本当に、今はクッソ嫌いだから。
なんだあいつら頭おかしい。でもまだ見つからないのは、血筋なんだと思う。
私もまぁわりかし、しぶといところをみるとその血を受け継いでるんだな。

親が関わってた出来事を話すとお姉ちゃんは人が変わったみたいにブチギレてて、
おしゃべりな叔父さんは顔が般若みたいになってるのをみてきたから、あ、これは怒っていいんだ、きらいでいいんだって思ってはいた。
おもってたんだけど、奥に押し込んで蓋をした。なんでかって…嫌いって言われるのは悲しいと思ってたから。

二人も嫌いな人がいるなら黙っていよう。
自分の分はいらないなって。



結果、どうなったかといえば親年代ぐらいの人…先生という善人含め怒りが湧くようになったことだけだった。
反抗期だったのかもしれない。思春期だったのかもしれない。
親は親、ほかは他。今はそのことをちゃんと考えられる。


子供に薬盛ってまで監禁するなよなバカタレ。二度とツラ見せんな。ばか、ばーか!へんたい!
次にあったときはなぐります。男の子なので。ぐー!ぐーだから!


 ……此処から先は文字が滲んでいる。


「……ボトルメッセージだとみられちゃうからね。
 ぶぶん、海底に発進〜私のやなこと〜……」


「…………、さよなら ちっちゃいころの私。ここの海はきれいだから、
 深いところまでみておいで………