Eno.270 フェルテ

天使の呟き(52)


オレ理性は、オレを信じてる。
正確には……先生の教えを、だけど。
オレの考えは間違ってないって言い聞かせてる。ずっと。

オレ本能は、オレを見限ってる。
それはこのシマに来てから始まった話じゃなくて。
そうだと気付いたときから。ずっと。

ずっと2つの感情がグッチャグチャになったまんま。
親に勘当されて名字も失って、無能だとか異端だとか
色んな奴に好き勝手言われてよ〜。
まあ、それでも今までは上手いこと
バランスとってやってたんだぜ?


なのに、このシマに来て……
結局オレは無力なんだって思い知らされて。
お前は全部間違ってるって言われた気がして。

……なんかバランスおかしくなった。
死にたくなんかねーのに、早く死ぬべきだって
ずっと心の底で思ってる。

だから。
何も食わねーで過ごしてみたり。
無意味に嵐の中に出てみたり。
限界超えて作業してみたり。

結局、大した度胸もねーから、
全部中途半端に終わったけど。

しかも……あいつの言葉借りるんなら、詰んだ・・・
救助船なんて来ちまったら、もうどうにもできねー。
そうでなくてもここの奴らはマジで有能でさあ。
現に一回死にかけたとこ助けられて。
……余計に、オレ無能だなって思わされて。


でもオレって天邪鬼アホ天使なんで?
詰んだって思ったら俄然やる気湧くんだわ。

そうだよ、よく考えてみろ。
どうせオレの中に2人いるみたいなモンなんだぜ。
ならどっちか片方が・・・・・・・くたばったって問題ないだろ。


花火を打って、準備が出来たら終わりにしよう。
そのための覚悟はもう出来てる。