Eno.316 鶴岡 星良々

未練ってさ

意外とないなぁ……

船ができて、いよいよ明日出航だーってことになって、そろそろ、荷造りを始める。
船に全部載せることはできないから、取捨選択をちゃんとしなきゃいけなくて、なんとなく倉庫とコンテナに立ち寄った。

整然と積まれたり、雑然と積まれたりと、無秩序な倉庫の中には、目ぼしいものは何もない。
お腹がすいたら倉庫に保管してある料理を持って行き、喉がかわいたら水を持っていくくらいだ。
売れば高い値がつきそうな資源もいっぱいあるけれど、倉庫には、これだけは持って帰りたい!という思い出の品はなかった。

わたしは小さなリュックに、なぜかスタンドマイクがついた脱出セットと、ミナくんが作ってくれた浴衣と、ある程度日持ちしやすい料理と飲み水だけを詰めた。

あとは心の中に全部詰め込んだから、わたしは大丈夫。

さて、今夜はご馳走と、マジックショーだ。