Eno.322 Type-R

13日目

命題だ。

そもそもの話をしよう。
僕はラザルではない。僕はルディではない。
僕は『モモ』だ。


過去の後悔を謳い僅かな自由を全て奇跡のような賭けに向けて
フルベットしようとする、愚かな愚かな天使だ。
『僕』モモが本当にそれがやりたい事かと問われると、これがまあ、解らない。
正直他所からもってこられた強迫観念には違いないからだ。
けれども、僕達のうち誰かがやらなくてはならないことであり、
それが僕であることに、僕自身は納得している。


更に、考えよう。


知識と経験、記憶と感情をコンバートされていて、完璧な模倣をするならクローンだ。
しかしそういうわけにはいかなかった。
『より人に近しくするために』。
中位天使から更なるカスタマイズを受けさせられた僕達には揺らぎが宿った。
後半のType-Rに行けば行くほど天使の権能と天使足る力を失っている。
僕は9番目。1つの権能と人並外れた身体能力と感知能力を持つ中位天使。


つまるところ、その程度しか有していない。


故に、Type-Rは欠陥仕様とされている。
中位天使ではない。人ではない。
祈りを知り、天使の為に奉仕する、中位天使のガワを被りながら下位天使にも劣る存在。
それが僕だ。
それが、僕達である。


とはいえ、僕が僕たらしめるものはここで過ごしたたったの14日程度だ。
果たして僕は何者なのか。
モモとは何だ?


ああでも。

濃いながらも短い間で成形できた
モモという意思は同じ島の君たちの生存と幸福を願うのだけれども。
これくらい叶ってもらえないだろうか。


どうか。

どうか。

どうか君たちに、幸あれと。