吉報、あいをわけあたえましょうか
──星の資源を回収している。
──つまりは、過去の遺物である。
宇宙に飛び立つ前。
人類は愚かにも争いを行ったけれど。
争いを行えば、技術はすすむ。
争い、と言うのは差を生むから。差を縮めるため、差を伸ばすため、切磋琢磨の先の先。
進んだ技術は、そこらじゅうに整備されず、放棄されていた。
過去の遺産で埋め尽くされた星。
いや、されていないところもあったけれど。
たとえば、残った人類は、それらを繋ぐように生きていたから。
そのライフラインをたやさずに。
ほそぼそと、遺産をつかうように。
とかく、放棄されたそれらを漁る。
優秀な科学者様は言っている。
「これらを繋ぎ合わせよう」
「使えない物は捨ててしまおう」
「使える物を取り出して、つなぎ合わせて」
「動くものを作り上げよう」
「私たちの希望を」
そうやって、図面を書いている。
ある構造を組んでいる。
星取合戦の勝者はまだ決まっていない。
ツキ・ステーションの破壊をすれば、またステージに上がることは可能だと、馬鹿げたことを考えている。
何をして、そうまでして、星が欲しかったのだろう。
それはそこで瞬いているだけでも、よかったのに。
人々は、それらを探している。
過去の建物に足を運ぶ。
水の星に、元からいた人々は訝しむ。
そんな視線を受けても、ただの使命感を受けて、足を運んでいた。
勇敢に。愚者である。
その先の城は、錆びてしまったある倉庫。
シャッターを開けるのに時間がかかる。
警備ロボが働いていた。
一つ挨拶をして階段を登る。
足場が崩れていて落ちそうになった。ところを耐えた。
ある部屋に登ったところ、見つけたコードを吟味している。
そうして、出て行った。
そんなことの繰り返し。
繰り返し、繰り返し。
積み重ねることで希望を作る。
人の遺したもので、人は復讐を作っていた。
◇ ◇ ◇
──ああ、それでも。
人というのはずるいもの。
だって、ほら、あんな巨大なツキ・ステーション。
伸びているシャトルの路線の白い蛍光灯の無機質な色。
いく人々の声。
笑う人々の声は自分たちと同じもの。
あの人数を殺すことになる。
あの人数を殺戮する。
死刑にする時、誰だかわからないように何人かでスイッチを分ける、なんてことをしているんだって。
一人で責任を負わないように。
罪悪感を負わないように。
──彼らもまた同じ。
罪悪感と責任と、薄暗い気持ちは負いたくなかったものだから。
桁外れ。星を滅ぼすための兵器。
それを打ったなんて責任、誰も背負いたがらなかった。
発射のスイッチの代わりに、AIをつけた。
元々は星を探すために、それに向かってまっすぐ向かっていくような、それだけの機械だったという。
あまり頭は良くなくて。けれど耐久に長けていた。
同型が二つだけ見つかった。
他はうまいこと部品が見つからなくて、使用するには至らず。
それを弄った。
繋ぎ合わせてかき回して。
「 ただ、一度目覚めれば、自らの役目を、自分自身に課して、それであるという自覚を持ち 」
「 星を壊すという許可を、自ら結論を出し、自らを打ち上げる、若しくは、作動させるためだけの、AIを 」
星を探すための機械は、星を壊すための機械として改造されている。
埋め込まれた爆破装置。
あんまり上手くいかないこともあったから。
完成に至ったのは、2台。
ただ、それは当たりさえすれば、一台でも。
星を、ツキ・ステーションを壊すだろう。
◇ ◇ ◇
──我々は、我々の幸福を取り戻すために働いている。
幸福を追求し続けるものである。