Eno.42 終末兵器

吉報、あいをわけあたえましょうか







──星の資源を回収している。


──つまりは、過去の遺物である。
宇宙に飛び立つ前。
人類は愚かにも争いを行ったけれど。
争いを行えば、技術はすすむ。
争い、と言うのは差を生むから。差を縮めるため、差を伸ばすため、切磋琢磨の先の先。
進んだ技術は、そこらじゅうに整備されず、放棄されていた。

過去の遺産で埋め尽くされた星。


いや、されていないところもあったけれど。
たとえば、残った人類は、それらを繋ぐように生きていたから。
そのライフラインをたやさずに。
ほそぼそと、遺産をつかうように。

とかく、放棄されたそれらを漁る。
優秀な科学者様は言っている。


これらを繋ぎ合わせよう

使えない物は捨ててしまおう

使える物を取り出して、つなぎ合わせて

動くものを作り上げよう

私たちの希望を


そうやって、図面を書いている。
ある構造を組んでいる。

星取合戦の勝者はまだ決まっていない。

ツキ・ステーションの破壊をすれば、またステージに上がることは可能だと、馬鹿げたことを考えている。
何をして、そうまでして、星が欲しかったのだろう。
それはそこで瞬いているだけでも、よかったのに。


人々は、それらを探している。


過去の建物に足を運ぶ。
水の星に、元からいた人々は訝しむ。
そんな視線を受けても、ただの使命感を受けて、足を運んでいた。
勇敢に。愚者である。

その先の城は、錆びてしまったある倉庫。
シャッターを開けるのに時間がかかる。
警備ロボが働いていた。
一つ挨拶をして階段を登る。

足場が崩れていて落ちそうになった。ところを耐えた。

ある部屋に登ったところ、見つけたコードを吟味している。


そうして、出て行った。

そんなことの繰り返し。

繰り返し、繰り返し。


積み重ねることで希望を作る。
人の遺したもので、人は復讐を作っていた。

◇ ◇ ◇

──ああ、それでも。


人というのはずるいもの。
だって、ほら、あんな巨大なツキ・ステーション。
伸びているシャトルの路線の白い蛍光灯の無機質な色。
いく人々の声。
笑う人々の声は自分たちと同じもの。

あの人数を殺すことになる。
あの人数を殺戮する。


死刑にする時、誰だかわからないように何人かでスイッチを分ける、なんてことをしているんだって。
一人で責任を負わないように。
罪悪感を負わないように。



──彼らもまた同じ。



罪悪感と責任と、薄暗い気持ちは負いたくなかったものだから。
桁外れ。星を滅ぼすための兵器。
それを打ったなんて責任、誰も背負いたがらなかった。



発射のスイッチの代わりに、AIをつけた。
元々は星を探すために、それに向かってまっすぐ向かっていくような、それだけの機械だったという。
あまり頭は良くなくて。けれど耐久に長けていた。

同型が二つだけ見つかった。
他はうまいこと部品が見つからなくて、使用するには至らず。

それを弄った。
繋ぎ合わせてかき回して。




ただ、一度目覚めれば、自らの役目を、自分自身に課して、それであるという自覚を持ち

星を壊すという許可を、自ら結論を出し、自らを打ち上げる、若しくは、作動させるためだけの、AIを




星を探すための機械は、星を壊すための機械として改造されている。
埋め込まれた爆破装置。

あんまり上手くいかないこともあったから。


完成に至ったのは、2台。

ただ、それは当たりさえすれば、一台でも。
星を、ツキ・ステーションを壊すだろう。





◇ ◇ ◇


──我々は、我々の幸福を取り戻すために働いている。

幸福を追求し続けるものである。