*『現実』
私は、小学生の頃、いじめに遭ってた。
もっとも、身長は小6の時点で170はあったし、肌も浅黒く、瞳は碧かった。

「昔は大嫌いだったけど、今では気に入ってんだ、この容姿」
小学生の無垢は、時に残酷だ。
まず、喩えが酷い。品がない。
女型の巨人とか言われた日には陰で号泣したものだ。

「高校生になった今では、逆に高身長でよかったと思えるな。
だって、男共を上から見下ろせるんだぜ(笑)」
……
私は、私の精神と身体を守るため、だんだん男勝りな性格になっていった。

「……"なった"は適当じゃねえ。私が意識して近づけてったんだ」
喧嘩を吹っ掛けてくる男の子には余裕で勝てた。
身長は大抵、私の方が大きかったし、柔術も齧ってたから。

「すると、なんということでしょう!
めちゃめちゃ女の子からモテたっていうね~。
思えば、あれが私のモテ期だったのかもな」
……ただ、子どもの頃は、恋愛の「れ」の字も知らないほど無垢だった。
それに、私の中の「女の子」という自覚は揺るがなかった。

「…………」