Eno.483 辰砂

無題

希死念慮に囚われているわけじゃない。
結果的に今自分を突き動かしているのは好奇心だ。
どこに行くんだろう、どこに行けるんだろう。

元の世界か、元の大陸か。

帰らなくていいとは言われたけど、それでも結果的に帰らなきゃならないのはあの世界だけど。
でも生きているうちに行けるところはどこでも行ってみたい。

生とは死、死とは生。
人は終わるその瞬間にその人間性と、その人生の総評を幕引きとともに行うんだ。
死んでこそ、死んだ後、が。
最もその人たらしめる。

人の心に残って、爪を立てて、引いて、じくじくした傷を残して。
いつか瘡蓋になって、ぽろりと人知れず剥がれて、また痛むのか、傷跡さえ残らないのか。

そうなった時、が。
非常に興味がある。

そうなった時。
自分よりも私は、君たちがどんな顔をするのか。

「好奇心は猫を殺すと言うけれど、豹でも本当に死ねるかな」



あ、失敗したァ。
それなら形に残るものとかあげない方が良かったじゃんね。