Eno.419 鈴雪スグリ

微睡にて

心地よい酩酊感が思考を満たす。
うすぼんやりとした視界が眠気に浸されている。

まさかこの島で、そんな上等なお酒を飲んで、
こんな気持ちで身を横たえることがあるだなんて、思いもしなかった。

遭難して、自らの手で文明とも云えるものを作り上げて、
それから脱出の段取りまで。
あまりに現実感がない。
いや。

「私の人生でソレを言うな、ってか」



これが夢であるなら、それはいつか醒めるもの。
帰りつく現実の先行きは、考えなくてはならない。


……とはいえ。
それは半ば、定まりつつあった。
であれば今は、この一瞬に酔いしれよう。

「……晴れるといいな。出航」