Eno.621 那覇戸アミラ

これまでとこれから


ちっちぇーころから、
『オンナノコ』らしいことがあんまり好きじゃなくて。

しょっちゅう男子に混ざって、
サッカーだのドッジだのやってた。


かーちゃんは心配してたけど、
親父は「好きなようにしなさい」と言ってくれた。
……今では、それがどんだけ
ありがてえ一言だったのか、よーくわかる。


『オレ』っていう一人称は直んなくて、
女子同士の会話にはあんま馴染めなくて。

…でも、走ってる時だけはそんなのカンケーなくて。
がむしゃらに埋まらない溝を埋めようと、走って、走って、ひたすらに走ってた。


ここに来るまでは。


……帰ったら、大会のために
願掛けしてた、この長い髪も切ろうと思う。

―これからのオレには、フルマラソンよりも
長くて、とびきり楽しい…日常が待ってるだろうから。



なっ、フク!