2023/7/15(土)の記録

我々の居た島は、潮汐によって完全に水没した。
もし、この船がなければ……と想像しただけでぞっとする。
水平線から、僅かに太陽光線が覗くのが見えた。

「セヴェリーノおばさん、元気にしてっかな。
ママ……は心配いらねえか。」
船体が風を切る。
潮が心地良い。海鳴りが聞こえる。
このまま、深い眠りに就いてしまいそうだ。

「ある意味、臨海学校よりも得難き経験ができたわけだな。
……さて、私たちはこれから、どこへ向かって歩こう?」
私は、船首から甲板へと飛び移った。
こん、と木材が鳴った。

「ふわぁ~……もう、一生分寝貯めした気分だ。
これで向こう帰ったら浦島現象ってコトはねえだろうな……」
私はゆっくりと伸びをした。
この一週間で、体重と代謝は頗る落ちたようだ。
ふらつく足取りで、船員室まで歩いた。

「……それより、まずは飯だな~。ハラヘッタ~。
直哉~、ラーメン炒飯餃子セットある?」
聞かなくても分かる。たぶん、「ねえよ」って返ってくる。
仕方がないので、持ち込んだ食糧でなんとか飢えを凌ぐか。
……