Eno.70 佐々木 真名

(29)

無人島の夜。

初日のそれは真っ暗で、不安と憂鬱に満ちた黒だった気がする。
ただただ余裕がなかった。
今はこうして、偶然此処に集った人達と、美しい星空を見上げている。
ずっとこの星空は広がっているのかな。相変わらず寄り添うことを知らないけれど……今は憎らしいとは思わなかった。

多分こんな満点の星空を見上げられる機会なんてないかもしれない。
だからしっかりと目に焼き付けて。
そして――耳を撫でる潮騒に、別れの悲しさを乗せた。

ねえ、聞こえていますか。
私ね、沢山、沢山分かったことがあるの。
夏の蜃気楼のような、あっという間で夢のような時間。
辛くも愉しい、最高のひと時でした。

貴方に紹介したい友達が4人いるの。
今は声も何も届かないだろうけど――アンタよりずっと頼りになるかもよ? なんてね。

帰ったら……部活も頑張らなきゃなあ。なんだか歌いたい気分なんだよね。
残念ながらアンタのためでも誰のための曲でもないよ。強いて言うなら、私のための曲をさ。
タイトルは、そうだなあ――


  淡い白と青に 消える幼き日の花火
  あがっては立ち尽くして 君の思い出語ってる
  ひとつ影法師が 揺れる昼下がり 「寒いなあ」
  呟いて微笑んでる 夏の日差しだけが輝いて

  あの日は晴れ模様 「僕は空の上へ」
  青空の流れ星 ずっとずっと 焼き付いた!

  いつまでも続いてく日々 君の歩めない道で
  「また会えるかな?」と唄うよ とある 夢の世界

  あの日指切りした 将来とか泡沫とか
  今更な言い訳さえ 届くことなく彼方へ消える

  明日は雨模様 君は空をながめ
  雲の上にある場所 遠く遠く手を伸ばす

  少しずつ変わってく日々 君の歩まない道を
  もう離れてもいいかな?と 廻る夢の中へ

  今日は曇り空だ 君は空に向かう
  涙のように落ちる 酷く冷えたこの街へ

 〝いつまでも忘れないでね? 僕と歩んでいた道を。〟

  また会えるからと唄った とある夢の世界
  どこまでも進んでいこう 君の歩めない道で
  幸せはまだ要らないと 僕の夢は――


そこで私は、目を覚ました。

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https://youtu.be/YamnJ36j1aU
NeverlanD/PrismA(Ironymuth) feat.kokone&VY1
Thank you for playing with me!